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たった一人の子供である長男が亡くなり、長男の妻は子供二人を連れて実家に帰ってしまった。 残された長男の両親のABさん。今までは長男家族と仲良く生活していたのに、長男がいなくなってからは奈落の底に突き落とされたように寂しい毎日を送るようになった。
「孫に会いたい」とABさんは、事務所に来てはそんなことを言っていた。 「せめて保育園に通っている孫の姿を見たいと思い、その近くまで行ったが分からなかった。」と言っていたこともあった。 孫に会いたい一心が、長男の妻に対する不信感につながっていく。何があったか分からないが、長男の妻とは不通になっているのだ。事務所でいつも涙ぐんでは帰って行ったABさんだった。
それがである。 ABさんが笑顔で事務所にやってきた。孫の写真が届いたという。保育園でお友達と遊んでいる写真だという。嬉しくてその写真を拡大して飾ったそうだ。 数枚の写真で、ABさんの気持ちは和んだ。 そして孫に会いたい気持ちはたくさんあるが、やがて孫が成長して自発的に自分の父親の墓参りやABさんに会いに来るのを待ち続けるという。
他人にはわからない親族間の確執があって、そこには入り込めないが、ABさんの孫の写真を手にした喜んだ表情を見たときには胸が一杯になった。 孫との関係、子供との関係、夫婦の関係、職場での関係と色々な関係で生活する毎日だが、見守る関係があってもいいではないか・・・。 ふとそんなことを考えた1日であった。 |
05:30, Thursday, Apr 20, 2017 ¦ 固定リンク
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