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孫に贈与したいという相談を受けた。最近はこうした相談が多い。暦年贈与の希望であった。
このような場合一番困るのが、孫が未成年者である場合だ。 多くは現金を贈与する場合に、孫名義の預金に預け入れるだろうが、その預金管理者が問題になる。 孫の親が管理していたならば、実際にはその贈与は誰に対してなされたのか、その預金は名義を問わず誰のものなのかが、後々問題になることが多い。特に贈与者の相続が発生した時だ。
そこで『贈与契約書』を作成して贈与することを勧めている。 受贈者が未成年者である場合には、受贈者の法定代理人として親の署名もしてもらう。そして公証役場での確定日付をもらう。その後に贈与の実行だ。未成年者だから当然に親が預金を管理するようになる。でも大丈夫。
あらかじめ契約に基づいて法定代理人の意思をも確認しての贈与だ。契約書をその時に作成した証拠に、確定日付をもらっている。
今回の相談者にもそうした指導をした。 しかしである。税務署に『贈与契約書』のことを確認したらしい。 税務署は、『贈与契約書』を作成することは一切指導していないという。預金から預金へ移動すれば、それで贈与と認められるから『贈与契約書』は作る必要がない。『贈与契約書』を作れというのは、あとから税理士が贈与の履歴を確認しやすいからでしょうという回答だったとのことだ。
相談者は「だから契約書は作成しません。110万以内の金額で毎年孫に贈与します。」と連絡が入った。 未成年者への贈与なのに大丈夫?
当然のことだが、相談内容と顛末はしっかりと記録に残している。
水芭蕉の季節になった。
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04:59, Monday, Apr 25, 2016 ¦ 固定リンク
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