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桶木沢は妙義の丁須ノ頭近くに登りあげる沢である。 昔は丁須ノ頭からの下山路として利用されていたとか。今はすっかりその名残は見ることが出来ない。
桶木沢は今回が3度目である。 1度目は昨年の12月に入渓したが、最初の10m滝に続くナメで凍結しており、アイゼンを持参していなかったので引き返した。
2度目は3週間ほど前である。 途中で出会ったパーティーと前後しながら登ったが、途中で支沢に入り込んだのが分からず、御殿に続く稜線に飛び出した。
これも楽しかったが、やっぱり桶木沢を詰めていないことに何となく気持ちが落ち着かない。リベンジである。
天気は良いはずだった。しかし雲が立ち込め、途中からは雨が降り出した。 撤退?なんていう言葉が横切るが、なかなかその気にはならない。桶木沢のグレードは2級で、今まで経験した沢のなかでは1番高いグレード。雨が降っている分更に難しかった。
第1ポイントのモミの木が数本立っている出合。 間違いない。ここを左俣(本谷)に入るが、よく見ると更に左に沢があり、どうやら前回はこの一番左の沢へ入ったらしい。 前回のミスを確認できて、宿題の一つが終わった気がした。
左俣を進んでいくとやがて帯岩と双耳峰の岩峰が現れた。 1回目はここを通過している。間違いない。そしてナメ。1回目に凍結していて引き返したところである。
ここからが核心部であった。
ナメに続く10mの滝。 直登するか、遡行図にあるように左側のバンドをおち口までトラバースするか、30分ぐらいウロウロしてしまった。 沢靴を履いているなら迷わず直登した。今回は登山靴であるため、この10m滝に取付いたがすごく滑るのだ。 どうしよう。途中支点が1か所あったので意を決して直登。 OZESAIさんは、ここの記録で「2度と登りたくない滝」と書いてあったが、まさにその通りであった。
すぐに2つ目の10m滝が現れた。 ここは迷うことなく右を巻いた。沢靴さえ持ってきていれば・・・と、ちょっと悔いが残る。 そして最後のチョックストーンの滝。 ここは直登不能で、右からのナメ沢を30メートルほど登り中間尾根に取り付き滝上に下りた。このナメも滑る、滑る。仕方ないからすぐ横のルンゼを伝って登りあげた。1歩が上がらず大変だった。
ゴーロ歩きとなり飛び出した稜線は、鍵沢との合流点だった。 沢の地形が複雑で幾筋もの枝沢がある桶木沢。本当に下山路として利用されていたのか、信じられないぐらい厳しかった。
入渓地点
桶木沢の水も秋が来ていた。
モミの木が立っている二俣。
枝沢で迷う所は、ケルンが積まれていた。
目印となる双耳峰の岩峰
1回目に引き返したナメ。
核心部である10mの滝
核心部その2の10m第2の滝
10m滝の落口
直登不能なチョックストーンの滝
右のルンゼを詰めて滝上に出た。
ほとんど水がない鍵沢も、雨の為か穏やかな流れが少々。
妙義湖のほとりには、まだ秋が残っていた。
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07:27, Monday, Nov 23, 2015 ¦ 固定リンク
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