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1日無料相談日。 1か月に1度の社会奉仕の日として今年度になってから続けている。 すべて会務が終了したから、気持ちもこうしたことに振り向けることができるようになったのだ。
この相談日にはいろんな人に出会う。直接に実務に結びつくことはないが、悩みや不安を抱えている人の支えにはなっているかもしれない。 と思うと、収入に結びつかなくともやめられないのだ。
80代の女性が相談に来た。 夫を亡くし相続税が心配だという。ざっと計算したら基礎控除額をかなり下回っている。申告の必要はない旨を伝え、あとはその女性の人生を聞く時間となった。 「とても優しい人だった。」 その一言で、私はその女性と向き合うことができてよかったと思った。
70代の女性の相談。 夫も健在であるが、今後の自分の生活が心配。長女は海外在住で、先日加入した保険の手続きも大変だったとのこと。1次相続、2次相続の試算をしたら、ちょっと安心したようだった。
「実はほとんど話をしたことが何のですが、次女が突然亡くなり13回忌を済ませたところで。やっと気持ちの整理がついた所です。自慢の娘でした。」 と税金の話よりも、その女性の抱えている心の内を受け止める時間となった。大切に持ち歩いている写真を見せてくれた。 「この次女には、仏壇の前でもう少し待っててね、と話しかけるのです。」 母親としての想いを涙なしには聞けなかった。
税理士は、いろんな方の人生に触れる仕事でもある。 相続の仕事となれば、人生の集大成の後始末である。その人の人生を知って初めてできる仕事である。申告が必要かは関係ない。
税理士の仕事を続けられることに感謝だ。
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05:50, Monday, Oct 19, 2015 ¦ 固定リンク
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