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仕事で信州新町まで行った。相続の仕事である。いろいろ出てくる不明点の確認に何回も足を運んでいる。
間もなく迎える新盆の用意が始まっていた。 私の大好きな和子さんは、「新盆を迎えることが信じられない。」とちょっと寂しげな表情をしながら、飾ってあったカサブランカにそっと手を触れていた。
仕事だけに集中するなら2時間ぐらいで終わるものの、合間にいろんな思い出話が出て夜の7時近くまでかかってしまった。 それでいいんだ。
お茶の時間に出してくれた「たむら」のケーキは、その日の午前中に長野市街まで買いに行ったそうだ。車を運転しない和子さんは、多分タクシーを使ったのだろう。 午後やってくるという私のために用意してくれたのだ。 モッチリとしたロールケーキを厚々と切ってくれた。 二人でおしゃべりをしながら頂いたケーキは、本当に美味しかった。和子さんの、私を待っていてくれた心がそのケーキにもこめられていたから。
夫を亡くした和子さんではあるけれど、変わらずに「花のある和子」さんだ。いつも夫が心の中にいて、その夫とこれからの人生も楽しもうとしている。
私は、そうした和子さんと話をするのが楽しみだ。 |
06:02, Saturday, Aug 01, 2015 ¦ 固定リンク
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