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交通事故損害が簡易裁判所で争われ、原告のAさんと被告のBさんとの和解の仲裁に司法委員として関わった。 AさんもBさんも女性である。1年前の物損事故で、お互いに話し合いが付かず、やむなく訴訟に持ち込んだのだ。
原告のAさんは請求額をかなり譲歩した。 和解室での話し合いに、被告のBさんの生活状況を直接話してもらい、結果車両損害額と代車使用料の一部の金額で和解が成立した。
Aさんは今までBさんに謝罪してもらっていないという。 それを聞いたBさんは、Aさんに向かって頭を下げた。ちょっとぎこちなかったが、なかなかできることではない。 Aさんはそれを受けて、健康状態も良くないBさんに優しい言葉をかけた。
そして和解成立後、法廷から退出し廊下に出て、更にAさんはBさんに励ましの言葉をかけたのだ。 その様子を影から偶然にも見守った。 Bさんは深々とAさんに頭を下げて立ち去って行った。
被告のBさんは今までの重荷が軽くなったと思う。 原告のAさんは立派だ。 損害を被り、1年も引きずった事件で心身ともに疲れ切っていたにも関わらず、Bさんの気持ちに寄り添うように言葉がけをしたのだ。
最後にAさんが私に言った。 「長い1年だったけれど、これで私の気持ちも整理がつきました。有難うございました。」
今後Aさんはいい人生を歩んでいくだろう。人を思いやりながら・・・。 司法委員として、仕事だけでないちょっと心に残る和解だった。
猿倉から白馬尻までの花。天気が良かった分、陽が反射した写真になっている。
オオバミゾホオズキ
シラネアオイ
エンレイソウ
サンカヨウ
キヌガサソウ
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04:46, Friday, Jul 17, 2015 ¦ 固定リンク
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