Kさんと、Kさんの亡き夫のSさんのことを語りあった。 次から次へと話が溢れ、あっという間に3時間が過ぎていった。
亡くなって間もなく2ヶ月になる。明るく夫との思い出を語るKさんの胸中は・・・。
二人の人生を歩みだしてから一度も嫌な思いをしたことがない。喧嘩もしなかった。周りのことを気遣い、穏やかな人だった。 だから50年間そういう人の愛されて幸せだったとKさんは語った。
入院して辛い治療を受けている最中も、決して苦しいことを口にせず、「先生自分のために有難う」と必ずドクターに感謝の言葉を言っていたそうだ。
Sさんもドクターであった。 決して驕り昂ぶらず、患者に信頼され、友人にも地域の人にも親しまれたSさんの百箇日を間もなく迎える。
Kさんが教えてくれた。 卒哭忌(そっこくき)ともいう。「哭」は、「声をあげて泣きさけぶ」、「卒」は、「終わる」という意味。 つまりSさんを思い、泣き悲しんでいたKさんが泣くことをやめる頃をいう。
Kさんと二人で少し早く卒哭忌を迎えた、そんな時間だった。 |