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75歳のSさんが相談に来た。 2年前に夫を亡くし子供はいない。今は独り暮らしで、経済的には困ることもなく生活している。 最近マンションを手放したが、その売却代金の使い道も特になく、3つの団体に寄付したそうだ。 今後の生活のための蓄えは十分ある。後は自分の遺産を甥っ子に残したいがどうしたらいいか、ということと相続税の試算だ。
この相続税試算に関しては、今年に入ってからの依頼が結構多い。 やはり相続税の基礎控除額が引き下げられたことで、多額の税負担が出るのではないかと、みんな不安になっているのだ。
相談者のSさんの場合は、兄弟姉妹とその代襲相続人が多いので全く相続税の心配はない。甥っ子への遺贈は、公正証書遺言をすすめた。
そこからのSさんの話が長かった。 Sさんは何十年とバスで長野東病院へ通ったそうだ。勤務していたらしい。まだ若槻大通りができる前で、バスは北国街道を登っていたらしいが、冬場途中でバスがスリップして動けなくなることがしばしば。 乗客がバスを押したこともあった・・・なんて懐かしそうに。
そしてこの4月に初めて人間ドックやらを受診してみたそうだ。 どんなものか興味があったからだそうで、なんともSさんのおおらかさが心を和ませる。何の異常もなく健康体そのもの。骨密度も年齢密度以上に高く、ドクターに褒められたそうだ。
新しい駅ビルの中には「長寿食堂」というテナントが入っていて、そこでは雑穀米を出すので、そこへは何回も通い、店の人に顔を覚えられたぐらいにお気に入り。 この日も相談終了後に寄っていくと言っていた。
いろんな人の相談を受けていると、実に沢山の情報が集まってきて面白い。限った相談時間の中で、お互いに密度の濃い時間を持つことができるのだ。 そして相談者の安心して帰途に就く姿に、私も安心している。
ニリンソウが咲いた。
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05:10, Monday, May 11, 2015 ¦ 固定リンク
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