気が付いたら腕時計がなくなっていた。朝家を出るときには、確かに腕にはめた。 移動したのは、事務所、S家、弁護士事務所だ。弁護士事務所から諏訪へ行く予定で、今何時?と時計を見ようとしたらない!ない!ないのだ。
事務所へ電話をして探してもらった。S家にも電話して探してもらった。弁護士事務所でも確認してもらった。各駐車場も見て回った。車の中も何回も探した。もちろんカバンの中も・・・。 でも見つからなかった。
紛失した腕時計。 2年前にイタリアのアッシジで購入した手作り時計で、世界に一つしかない時計だ。 その時計に出会った時に、すぐに購入を決めた。私を待っていてくれた気がした。 以来山へ入るとき以外は、その時計をはめていた。 誰も目に留まるわけでもなく、私の時間の管理者だったが、1度だけ気が付いてもらったことがある。 弁護士の中嶌和文先生が「かわいい時計だね。」と目に留めてくれたのだ。その場の緊張した雰囲気がふっと和んだ。
今日は日税連の会議で京都へ行く。腕時計なしの出張だ。 アッシジの時計は、再び私の腕に収まることはないだろう。寂しい左手になってしまった。 |