大安であった日、自筆遺言書を預かってほしいとHさんがやってきた。 毛筆で書かれた遺言書は、私の前で封印された。そのまま貸金庫へ直行だ。
Hさんはこの遺言者を作成するために、何度も事務所に足を運んだ。 まず自分の想いを話してくれた。そのうえで具体的にどうしたらよいかの相談を受けた。どのような内容の遺言書にするかはHさんの考えだが、法律上の問題点や注意点は説明した。 Hさんの遺言書には、付言事項が書かれていた。当初私に話をしてくれた想いがそのまま遺言書となったのだ。Hさんの人生の一部だけでも知っているだけに胸が一杯になる。
「これでとても気持ちが楽になりました。」とHさん。
私はというと、遺言書を保管しつづけるとともに、Hさんをずっと見守っていくことになる。Hさんの人生を預かったのだ。その責任は重大だ。
鶏冠尾根のハコネコメツツジ
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