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平ノ小屋から黒部湖駅までの歩行を考えると、うんざりだった。また11時間? 前日の雨は上がったが、雪渓の状態がどうなっているか、渡渉がどうであるか・・・不安を抱えながらの出発となった。
中ノ谷までの半島をグルッと歩かずに、ショートカットするルートを地図で確認し、新ルートを開拓(?) これは正解だった。 山の斜面から一気に中ノ谷の渡渉地点まで駆け降りる。かなり時間と労力が省かれた。
問題は仲ノ谷の渡渉。靴を脱がずに飛び石で渡渉できるところを見つける。 多少流れは速いが、なんとかなるだろう。と、ここでひっくり返ってしまった。ドボンである。 ショックのあまり立ち上がれず、右半分が水につかった。この恐怖心は、またトラウマとなってしまった。
対岸に渡り切り衣類をきがえ、心を落ち着かせる。 折れそうな心を奮い立たせ、いざ出発。しばし自己嫌悪との戦いが続いた。といっても、足元を慎重に運ばないと、滑落したら大変だ。
御山谷半島を黒部湖に沿って歩いていく。 この北斜面が核心部。長い雪渓の斜面を何回もトラバースしなければならないのだ。
2日前よりは雪が少なくなっていた。 下は黒部湖。
大体の検討をつけて黒部湖に降り立つ。水が少ないから湖底の土が広がっていて湖底をしばし遡る。歩きやすい。 2回目の渡渉は靴を脱いだ。 ショートカットが上手くできロッジくろよんの近くの一般道に乗り上げることができた。
この黒部湖湖底歩きは愉快だった。普段は水の中なのだ。いつの間にか折れそうだった心はどこかへ行って、テンションが上がっていた。
平ノ小屋から約5時間で黒部ダムに到着。 ここで感動することがあった。 黒部ダムから赤牛岳が見えるが、その右隣の山がどこか分からなかった。案内窓口で確認したら、その山は木挽山であった。 登ってきた山をダム湖から見ることができて、ちょっぴり涙が出た。
3日間の行程は、こうして終了した。また一ついい想いを残すことができた。感謝である。
平ノ小屋から新ルート開拓で、この斜面を下りた。
中ノ谷の渡渉地点。ここでのドボンに心が折れそうになる。
気を取り直して歩き出す。この黒部湖に沿って御山谷半島をめざし歩いていく。
正面奥に針の木岳、その左がスバリ岳
デブリが発生している。このあたりから黒部湖湖底へ下りたった。
2回目の渡渉場所。靴を脱いで渡渉。ここは、普段は水の中だ。
渡渉場所から眺めた黒部湖。すぐ近くから黒部湖へ水が落ちている。
御山谷を振り返る。もちろんここも湖底。
ロッジくろよんから見た針の木岳、左はスバリ岳
ダムが見えてきた。
黒部ダムからの赤牛岳、中央に木挽き山、その右が五色ヶ原
木挽山
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05:05, Thursday, May 08, 2014 ¦ 固定リンク
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