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無料納税相談の1日。若里会場に詰めて、途切れることのない税務相談は大変疲れた。
しかしである。 大勢の納税者と話をする中で、納税者が今までの人生を語ってくれるのだ。それが嬉しいのだ。今年は高齢者の方が多かった。
『先日の雪で畑に入れず、リンゴの選定をしなければならないのに手付かず。気持ばかりが焦る。生まれて初めての大雪だった。』
『今年88歳になる。特攻隊員で長崎にいたが、列車で長崎から移動している間に広島に原爆が落ち、翌日に広島に入った。 列車は動き続けた。そして長崎に原爆。一度はなくした命だと思っている。 今は耳が遠くなり、妻に車の運転をしてもらっている。感謝している。』
『ちょっと病気をしてからは、娘夫婦のところに厄介になっている。娘は本当によくしてくれる。 医療費の領収書の計算がなかなかできなくって。』
『1ヶ月約10万円の医療費がかかる。妻の分だ。妻は7年前に脳こうそくになり、5年間自分が自宅で介護した。今は食事が出来ないので、施設に入り胃瘻をやっている。 独居なので、全て自分のことは自分でやっている。もう少し頑張らねば。』
永い間自分や家族の人生を見据えてきた人たちだ。 今あること感謝しつつも、高齢者である自分のこれからのことに不安を抱いている。
反面、毎年この時期にこの会場へ来ることで、自分の存在を確認してもいるようだ。たとえそれが医療費控除のためであっても。
今までとはちょっと違った納税者との向かい方だった。
若里の無料納税相談会場の入り口で案内をする田中氏。 この姿に迎えられると、なぜかホッとする納税者は多いと思う。税理士の間でも人気だ。
税理士が行う納税相談会場の様子。
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05:11, Thursday, Feb 27, 2014 ¦ 固定リンク
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