朝夕が涼しくなって、なんとまあよく眠れることか。 しかし安定しない天気に、ちょっとつまらない。テン泊の山行どころか、日帰りの山もままならないからだ。今日だって・・・。
昨夜、日帰り温泉であった年配の女性に声を掛けられた。湯につかりながら、どういう訳か、ご自分の身の上話が始まったのだ。
善光寺平で1・2位を争う大農家に生まれ、子供のころから農業を手伝わされた。 学校へ行く前に、リヤカーで野菜を市場へ運んだ。学校から帰ってからも畑を手伝った。遊ぶ間なんてなかった。 農業は嫌だと思いながら、ずっと生きてきた。 今80歳。息子が週1回長野へ帰ってきて、温泉に連れてきてくれる。それが楽しみ。
その女性は本当に嬉しそうだった。小さな楽しみを誰かに聞いてもらいたかったのかしれない。
それを聞いた私も、自分の息子の姿を重ねながら、ちょっと幸せな気分になった。 |