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S氏の葬儀であった。大勢の弔問客であった。そしてお斉(おとき)の席でも、S氏の思い出を語り合う人たちばかりで、いかに生前S氏が慕われていたかが伺われる。
S氏は行うことが何ともスマートで、それでいてエネルギッシュな人生を送られた。 S氏とは、一緒に仕事をする仲でもあった。 その合間に、S氏が出かけて行った世界各地の話をしてくれ、いつか私も・・・と夢を与えてもらった。釣りや山の話、音楽はベートーベンの名曲「運命」の演奏も、指揮者によって大きく違うことも教えてくれた。 中でも一番印象に残っているのは、大きなザックを担いで友達と二人、ドイツのロマン街道を旅した話だ。沢山のものを得たと思う。
「欧州人はね、いつも家族の写真を持ち歩いていて、何かの機会に、周りの人に見せるんだよ。」と言って、自分も写真ケースを求め、家族の写真を持ち歩いていた。
体調を崩され、入退院を繰り返す中でも、家族への想いや周りの人たちへの温かいまなざしを忘れたことがなかった。
今はこの世での重荷をすっかり下され、本当にスッキリされていることだろう。「あ〜すっきりした。」という言葉が、私の耳に響いてくる。 今、S氏はロマン街道を歩いた時のような大きなザックを背負って、天国への階段を上っている。 そのザックには、もしかしたら、多くの人たちの想いがたくさん詰まっているのかもしれない。 もしかしたら、天国からそそぐために、S氏の想いがたくさん詰まっているのかもしれない。 もしかしたら今頃、S氏は、ベートーベンその人が天国のオーケストラを指揮して演奏する本物の運命交響曲を聴いているかもしれない。
ほら!曲は今、勝利と歓喜の第4楽章に入った。 たえなる楽の音を聴きながら、きっとS氏は、自分の歩んできた道を懐かしく、また誇らしく思い出しているだろう。
その思い出の中に、この地に残されている一人一人を、また私のことも忘れずに加えてほしい。そして在りし日のように、この世の私たちを励まし続けてほしい。 合掌 |
16:51, Wednesday, Jul 17, 2013 ¦ 固定リンク
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