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それは反対された結婚だった。 嫁ぎ先は農家。曾祖父母、祖父母、父母、兄弟が同居する大家族だった。早朝から農業を手伝わされ、子育て中も、パートに出ながら農業を手伝う毎日だった。 婚姻生活35年の間に義曾祖父母、義祖父母、義父母を看取った。
「我慢しろ、我慢しろ。」と夫に言われ続け、耐えてきた年月。 自由に実家に出入りしたいばかりに運転免許を取得したが、実際にはあまり帰ることもできなかった。
いつからか孤独感が募り、苦労してきた自分の人生は何だったのだろうかと考えるようになった。
「楽になればいいじゃない。」 と、年老いた母の一言。その一言に背中を押されて離婚に踏み切った。離婚さえできればいいという想いで話し合いがなされ、結果年金分割だけを行っての離婚だった。
離婚届を提出したその日、事務所を訪ねて来てくれた。 今後は実母と一緒に生活することにしたらしい。 経済的には大変になったけれど、これからの人生、自分の納得いく密度の濃い時間を過ごせるだろうと、そして何より、今までのしがらみから解放された喜びは、何にも代えがたいと言っていた。
「感謝の握手をさせてください。」 握った彼女の手は、優しげだった。
これからの彼女に人生に乾杯!
吉尾平のユキツバキ
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05:18, Thursday, May 30, 2013 ¦ 固定リンク
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