手紙が届きました。確認せずとも、封書の書体だけで差出人は分かります。Aさんです。 Aさんの字は、私にとって癒しの字であり、それでいて威厳がある・・。以前からよく知っている字ですし、大好きな字です。
お会いしたばかりなのに、何だろうと思って開封して見ると、遺言書と書かれた封書が入っていました。 Aさんは自筆証書遺言を残したのです。それを私に預けたのです。
その重責に、手が震えるとともに胸が一杯になりました。どんな思いで、この遺言書を認めたのか・・・。Aさんの人生を少しは知っているだけに、遺言書を書いているAさんの姿が目に浮かびます。
大切に保管をして置いて、その時が来たら家庭裁判所の検認に出そう。Aさんの想いが一杯詰まった遺言者は、今、貸金庫の中で保管されています。 |