施設に入所しているWさんは、最近判断能力が衰えてきました。 そのことを何となく自覚したWさんは、 「自分が元気なうちに、自分のために読み上げられる弔辞を聞いておきたい。自分が死んでしまったら、弔辞を読みあげてもらっても分からないじゃない。」 と言い出しました。
Wさんには、高齢の妹が一人いるだけです。でも友達は多く、そのことを聞きつけた友達が集まって、Wさんを囲む会を開きました。 出席した友達が、それぞれWさんへの思いを込めたメッセージを寄せ合い、Wさんへの言葉ということで読み上げました。その後は、みんなで食事をして散会しました。
素敵だなあ〜って思います。「生前葬」ということを聞きますが、お寺さんにお経を読んでもらうのでなく、こうして先に弔辞を読み上げてもらい、その言葉を持って人生の仕上げをする・・。 Wさんは、その日ちょっと疲れたようでしたが、自分の願いがかなって満足そうでした。 |