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死後離縁
 自分の母方の祖父と養子縁組していたAさんは未成年者です。
 養父(祖父)が亡くなり遺産分割の必要が生じました。

 未成年者は、特別代理人をつけないと、遺産分割の協議に加わることが出来ません。祖母は既に亡くなっており、現在親権者が居ません。親権者がいないと特別代理人も選任できないので、困ったAさんの実親は、なくなった養父との死後離縁をすることを考えました。
 死後離縁をして、実親の戸籍に戻り、その上で特別代理人をつけて遺産分割をしようと思ったのです。

 まず養子縁組をした理由は、祖父の氏を名乗りながら、祭祀承継者になることでした。しかし、相続が発生し、Aさんも遺産を取得することになったので、そのために死後離縁をしたいということでした。
 この場合には、死後離縁する理由にはなりません。
 仮に死後離縁ができたとしても、その後祖父の遺産を相続するというのはいかがなものでしょうか。また、養子縁組の目的だった祖父の氏を名乗るという目的も外れてしまいます。

 祖父が死亡した時点では、Aさんは相続人の立場でしたが、その後、祖父との親子関係が切れたにも拘らず遺産を取得するというのは、果たして認められるでしょうか?

 いろいろな解釈があるかと思いますが、祖父の氏をそのまま名乗りながら、遺産分割の協議に加わる方法は、未成年後見人を立てることです。家庭裁判所に申立てをしてから、早ければ1ヶ月ぐらいで審判がおります。

 一度養子縁組をすると、死後離縁は難しいものがあります。相続税対策で未成年者を養子縁組をするケースがありますが、本当にそれでいいの?
 よく検討する必要がありますね。
 
19:21, Tuesday, Aug 10, 2010 ¦ 固定リンク

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