93歳の女性が亡くなりました。 ある面では、とても幸せな方でした。24年前に発症し、それからずっと自宅で介護してもらいながらも、それから6年後寝たきりになりました。それ以来ずっと、家族が協力してその女性を介護し続け、最期を看取ったのです。
大勢の方が葬儀に参列しました。 ご遺族には哀悼の意と共に、ねぎらいの言葉が出てきます。一人の人生が終わった寂しさはありますが、なぜか湿っぽさはあまり感じませんでした。 それは祭壇に飾られた遺影でした。 その人の遺影は、微笑みながら、舌をペロッと出した茶目っ気たっぷりのもの。
「ちょっと苦労かけ過ぎちゃったかしらねえ〜。」 なんて語りかけているような、そんな気がしました。 生前のこの方の生き方全てをあらわしている・・そんなことを思わせる遺影でした。 |