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資金移動の可否
 後見監督人の仕事をしていて気が付くことがあります。
 後見監督人は、後見人の行った仕事、つまり被後見人の監護養育や財産管理が正しく行われているか確認する仕事です。

 後見人が行った財産管理で是正をする時が時々あります。
 後見人には親族が就任するケースが結構多いのですが、それだけに被後見人の財産を自由に動かしてしまいやすいのです。

 よくあるのが生前贈与。
 被後見人の財産が多額の場合、相続が発生したら税金負担が大変と、預金などを後見人やその親族に名義を書き換えてしまっています。もちろん贈与税がかからない範囲額で。
 これは全く認められません。
 推定相続人のための資金移動、つまり相続税の軽減のためであって、被後見人には何の利益ももたらさないからです。
 むしろ推定相続人の利益のために、被後見人が不利益を被っているといことになります。このようなことが発覚した場合は、移動した資金を元に戻してもらいます。

 また、後見人が被後見人の資金を使い込んでいるケースがあります。
 会社の資金繰りなどに回しているケースです。
 もちろんこれも認められません。 すぐに返済してもらわなくてはなりませんが、不可能な場合は、返済計画を提出し、実行してもらいます。また、その返済計画が、何らかの原因で実行できない時は、再計画を提出するようになります。

 いずれにしても、経済事情が良くない最近は、生前贈与の資金移動もありますが、経営する会社の資金繰りに回してしまうことが多くなっていますので、これは認められないこととの認識が必要です。

 後見人には、法定後見人と任意後見人がありますが、どちらの立場であっても被後見人のために尽くす姿に敬服しています。
 これから、ますます多くなるでしょうが、この制度の利用はお勧めです。
 
05:21, Wednesday, Jul 01, 2009 ¦ 固定リンク

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